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病気の説明

「頭の中に脳動脈瘤が見つかりました」と診断されたら・・・
とても不安に思う方が多いはずです。破裂すると『くも膜下出血』になります。くも膜下出血になりますと社会復帰できるのは30%以下といわれる恐ろしい病気です。

しかしながら、動脈瘤は必ず破裂するわけではありません。むしろ一生破裂しないですむことの方が多いと考えられています。部位や大きさ、形によって、破裂する確率が異なることが分かってきております。これらを踏まえた上で治療を受けるかどうかを決定することが重要です。UCAS Japanという日本人5700人余を対象にした観察研究が2001年からなされ、2012年に論文として発表されました。日本人に関してもっとも正確なデータと考えられています。

主な知見は全体の破裂率は年0.95%でした。

  • 破裂は小さな動脈瘤でも発生しますが、大きな動脈瘤ほど破裂の危険性が高かった。
  • 前交通動脈(AComA)、内頸動脈-後交通動脈分岐部(IC-PC)の動脈瘤は中大脳動脈(MCA)の動脈瘤より破裂率が約2倍高く、比較的小さな瘤でも0.5%/年以上の破裂率でした(下表参照)。
  • でこぼこしている動脈瘤はないものに比較して約1.6倍の破裂率でした。
3-4mm 5-6mm 7-9mm 10-24mm >25mm
MCA 0.23 0.31 1.56 4.11 16.87
AComA 0.90 0.75 1.97 5.24 39.77
ICA 0.14 0 1.19 1.07 10.61
IC-PC 0.41 1.00 3.19 6.12 126.97
BA, BA-SCA 0.23 0.46 0.97 6.94 117.82
VA-PICA, VB-junction 0 0 0 3.49 0
Other 0.78 1.37 0 2.81 0
Total 0.36 0.50 1.69 4.37 33.40

破裂率%/年

これらの情報と、治療の危険を天秤にかけて方針を検討すべきです。未破裂脳動脈瘤の場合には、3つの選択肢があります。

  • 経過観察(様子を見ること)
  • 開頭手術(クリッピング)
  • 脳血管内手術(コイル塞栓術)

a. 経過観察

未破裂脳動脈瘤で経過観察を希望された場合、半年か一年ごとに外来でMRI(MRA)を行って、動脈瘤の形が変化したり、増大していないか確認することを推奨します。実際には動脈瘤の形やサイズの変化がないまま破裂することの方が多いので、定期検査を行っても破裂を予知できないことの方が多いという限界があります。

b. 開頭手術(クリッピング)

最も確実な治療法で歴史があります。頭の骨を一時的に外し、顕微鏡を使って脳の隙間をわけ、動脈瘤の根元にクリップをかける方法です。未破裂瘤であれば、ほとんど脳を傷つけずに動脈瘤の処置が出来ます。治療の難しいケースではバイパス術を併用することもあります。クリップがうまくかかってしまえば、その後の安定がよく再治療がまずいらないことがこの治療の利点です。

c. 血管内手術(コイル塞栓術)

「切らない脳動脈瘤治療」です。頭をあけることなく局所麻酔(場合によっては全身麻酔もかけます)で動脈瘤の治療が出来るため、患者さんの体にやさしい治療といえます。形状によっては困難なことがあります。近年ではバルーン、ステント、カテーテル2本を駆使するダブルカテーテル法などがあり、治療困難瘤に対してもその対象を広げてきています。

開頭手術は一見負担が大きいですが、困難な瘤を無理矢理に血管内手術を行うよりもかえって「体にやさしい」こともありますので、このあたりはよく説明を受けられてから方針を決めた方がよいでしょう。

主に脳動脈瘤が破裂して出血する病気です。おおざっぱにいって全体の3分の1が死亡、3分の1が後遺症を残しての生存、社会復帰できるのが残る3分の1と言われています。最初の状態が良い方ほど、より良い状態でゴールを迎えることができることが多いです。病院までたどり着ける方の場合には、一度、自力で止血されていると考えられています。しかしながら、動脈瘤から再出血すると一気に悪くなってしまうため、出来るだけ早く診断し、動脈瘤の治療を行うことが重要になります。他の原因でもくも膜下出血になることがありますが、その場合は対応が変わってきます。ここから述べますのは、動脈瘤性のくも膜下出血に対しての治療法です。未破裂動脈瘤の場合には『経過観察』という選択がありましたが、破裂瘤の場合には基本的に待つことは許されないと考えられます。状態が悪すぎる場合、破裂した場所が同定できない場合には経過観察となることがあります。

治療法の選択として

  • 開頭手術(クリッピング術)
  • 血管内手術(コイル塞栓術)

があります。

a. 開頭手術(クリッピング術)

最も確実な治療法で歴史があります。頭の骨を一時的に外し、顕微鏡を使って脳の隙間をわけ、動脈瘤の根元にクリップをかける方法です。クリップがうまくかかってしまえば、その後の安定がよく再治療がまずいらないことがこの治療の利点です。破裂瘤の場合には血液が邪魔をしますし、脳が腫れている場合には手術野が限られとても難易度が上がることもあります。

b. 血管内手術(コイル塞栓術)

「切らない脳動脈瘤治療」です。頭をあけることなく局所麻酔(場合によっては全身麻酔もかけます)で動脈瘤の治療が出来るため、患者さんの体にやさしい治療といえます。形状によっては困難なことがあります。近年ではバルーン、ステント、カテーテル2本を駆使するダブルカテーテル法などがあり、治療困難瘤に対してもその対象を広げてきています。(※破裂動脈瘤ではステントの使用が原則認められていません)2002年にコイル塞栓術の方が開頭手術よりも治療成績が良いと海外から衝撃的報告がなされました(ISAT, Lancet)。現在、米国では全体の50%の患者さんに、欧州では70%の患者さんにこの治療がされています。本邦ではクリッピング術者の技量が高いことと、血管内治療の専門医へのアクセスに限りがあることから、普及していない地域もあります。それでも施設によっては第一選択になっているところもあります。当院ではコイルを常備しすぐに治療開始可能な状態としております。

くも膜下出血のCT像

同一症例の3D血管撮影像
脳底動脈瘤の破裂でした。

動脈瘤のサイズ測定や温存すべき血管との位置関係を把握します。

カテーテルを瘤内に誘導しコイルで塞栓しています。向かって右の血管(左後大脳動脈)に入っているのはバルーン(風船)カテーテルです。コイルがこちらの血管にふくらんでこないように助けています。

綺麗に塞栓されました。当初半昏睡であった患者さんですが、後遺症なく社会復帰されました。

年々増加をたどる脳梗塞の原因の一つです。脳へ血流を供給する最大の動脈が頚動脈です。左右の頚部で拍動を触れる血管です。7-10mmもある血管ですが、生活習慣が悪いと完全に閉塞してしまったり、高度に狭窄してしまうことがあります。狭窄部分にはプラークと呼ばれる動脈硬化病変があり、脳梗塞の原因となります。それほど狭窄が強くなくとも、プラークの性状が悪いことによって、血栓が誘導され、脳梗塞の原因となることもしばしばみられます。

脳梗塞を起こして見つかった場合(症候性病変)の場合、薬だけで様子を見るよりも、厚くなった動脈硬化病変=内膜(ないまく)を取り除く「頚動脈内膜剥離術(CEA)」の方が脳梗塞の予防効果が高いことが証明されています。欧米ではこの手術が第一選択とされています。日本でもCEAが難しい症例において頸動脈ステント留置術を行うという適応になっております。しかし日本では種々の要因でそれほど普及しておらず、切らずに治療を行う「頚動脈ステント留置術」の方が多く行われています。海外データよりも日本の成績の方が一般によいので、おそらくは日本人の体質がまだ完全に欧米化していないため、比較的合併症が少なくステント留置術が可能な症例が多いのだろうと考えられます。切らずにすむという点が患者さんにとって魅力的にみえることもあるかもしれません。

頚動脈狭窄症は過去に症状を起こしたことがあるかどうか(専門的には無症候病変か症候性病変)によって、その後に脳梗塞や一過性脳虚血発作を起こす確率が大きく異なるため分けて治療の推奨度合いが変わってきます。

a.無症候性病変

今まで脳梗塞や一時的に手や足が動かしにくくなったことがなく、脳ドックや外来検査などで偶然見つかった場合が該当します。今後、脳梗塞を起こす確率が年間2%程度と報告されています。

b.症候性病変

狭窄病変に関連する脳領域の症状、手や足の動かしにくさ、あるいは目の見えにくさ(眼前暗黒)などが一時的あるいは継続してみられた場合が該当します。内服治療を受けても、年間7-13%という確率で再発作を起こすことが報告されています。研究によりばらつきがありますが、無症候性病変よりは明らかに発作率が高くなります。

治療法

基本は薬物治療ですが無症候性病変での70%以上狭窄、症候性病変での50%以上狭窄では内膜剥離術が検討されます。代替手段としてステント治療が推奨されます。どちらの場合でも薬物治療をしっかり行った上で治療を行います。

頸動脈ステント留置術

風船(バルーン)で狭窄病変を広げ、金属製の筒(ステント)を用いてその空間を維持、さらに広げる治療法です。いわゆる切らない治療です。頚動脈内膜剥離術(CEA)の難しい症例に有効性が証明されております。日本では過半数の患者さんにこの治療が行われています。病変が脆弱と予想される場合には、治療中にプラークが破壊されて脳に飛散しやすいため、CEAが勧められます。これも「切るほうがやさしいこともある」一例です。どちらの方法が優れているということよりも、適材適所での適応が求められます。

治療前

治療後

脳梗塞はピンキリ、軽症から重症までさまざまです。脳梗塞されてもピンピンしている人はたくさんいます。多くは軽症脳梗塞です。でも何らかの後遺症があることもありますし、脳血管性認知症としてボケてしまう方もいます。脳梗塞で亡くなってしまう方もたくさんいます。毎年約50万人が発症し、寝たきりの約3割を占め、全医療費の1割を用いています。直接の死因にならずとも不全麻痺による転倒、誤嚥・窒息で亡くなることもあります。多くは加齢に伴い発症します。生活習慣がとても大事になります。脳卒中の予防法については別項を参照ください。

予防が最も大事ではありますが、脳梗塞になってしまった場合、手や足の麻痺、言語障害、意識障害などがでます。四肢のうち一本のシビレ単独の場合は可能性はだいぶ低くなります(ないわけではないですが)。発症から4.5時間以内であれば、tPAというお薬を使って血管を閉塞する血栓を溶かすことができるかもしれません。可能であれば1時間以内に来院してほしいです。4時間だと評価までに間に合わないかもしれません。当院では適応症例に来院から15-30分以内で投与してきました。これは日本のみならず世界でみても最速の部類に入ります。

しかしながら、tPAというお薬は劇薬です。時間制限が設けられている理由としては、遅すぎると脳梗塞が完成して、すでに死んだ脳に血液が供給されることにより、重大な出血や浮腫を引き起こし、却って病状を悪化させることがあります。時間内であっても必ずしもよい結果が得られるとは限りません。なんとか身の回りのことが自立(mRS 2)まで改善するのが全体の3割程度といわれています。それでもtPA以前よりはマシという訳です。

tPAでも溶けない場合、追加でカテーテル治療を行う方法があります。あまり小さな脳梗塞には適応がありませんが、主幹動脈閉塞例で威力を発揮します。右上下肢麻痺でしゃべれなかったかたが、元通りになる、なんていう奇跡のような瞬間を目にすることがありますが万能ではありません。来院までの時間、その人の虚血耐性、などによって結果がだいぶと変わります。当院での治療成績はmRS 2までが60%程度と、世界の報告をみても最もよい群に属していることがわかっており、当院での対応については自信をもっております。しかしながら40%は救えない、ということになりまだまだ世界中で課題が多いところです。やはり予防に勝る方法はありません。

症例1. 内頚動脈閉塞

左:内頚動脈が頚部から閉塞しています。

右:発症時間不明にて血管内治療のみ行いました。再開通して頭蓋内の血流が回復、患者さんも不全失語のみで四肢麻痺なく、リハビリ病院をへて自宅退院されました。

症例2.

朝、物音に気づいてご家族が見に行くと倒れていた方。最終健在確認が前日夜のため、tPAがルール上使えない状態でした。頭部MRAでは右内頚動脈が完全閉塞しています。(患者さん不穏のため、動いていてわかりにくいでしょうが最終図と比較するとなんとなくお分かりいただけるかと思います)

カテーテルを右内頚動脈までいれて撮影した図です。頭蓋内の血管が全く写りません。

ステント型血栓回収デバイスにて血栓回収すると血管再開通がえられました。来院から2時間20分程度です。

後日のMRAです。最初の図とだいぶ違うことがわかります。四肢麻痺なくなんと入院1週間での退院となりました。

器具の進歩により合併症が減り、再開通率があがり、再開通までの時間が短くなってきています。当院ではもともと救急室とMRI室、手術室が隣接するよう設計されており、この機動性の高さと血管内治療のできる脳外科医が24時間常在するという極めて特殊な環境により世界の最先端施設に比肩する成績をおさめております。国内先端センターがようやく追いついてきたような状況です。繰り返し申し上げますが、劇的改善は一部であり、やはり予後の悪い症例、亡くなってしまう症例もございます。予防が大事でございます。

昔の日本人で特に多かったのが脳出血です。くも膜下出血とならんで『突然死』の代表疾患です。『突然』というと、「何か思い当たる原因がない」、「さっきまでは『元気』だったんです」ということになりますが、この疾患の多くは「原因あり」です。塩分の過剰摂取、高血圧、喫煙、過度の飲酒、などが危険因子です。年々、脳出血はサイズが小さくなっています。理由として塩分摂取量低下、高血圧ガイドラインが2004年から高齢者も140/90mmHg以下を推奨するようになったこと、有効な降圧薬が多く誕生したこと、などが寄与していると考えられます。30mL以上で手術適応ありとされていますが、手術適応になるようなケースは年々少なくなっていますが、北関東ではまだ多いという印象です。皆様、高血圧放置はされないようにお願いします。この地方は塩分摂取量が全国的に見ても多く、毎食のお漬物は危険ですよ。

なんと30歳代女性。手術で救命。リハビリの末に装具なしで歩行可能となりました。

言語障害にて換語困難ありますが、会話成立します。

こちらも40代女性。これくらいのサイズでは手術適応はありません。いわゆる「プチ出血」で近年多いタイプです。プチ出血は正式用語ではありません。念のため。うすうす血圧高いことに気づかない振りをしていた方が、急に過食で太ったり、怒ったりした際に発症することもあります。血圧140/90mmHg以上の方は十分に脳出血になる資格ありです。高血圧は必ず治療しましょう。

脳を覆う硬膜という膜付近の動静脈がつながり、血液が組織を栄養せずに無駄に静脈に流れてしまうという不思議な病態です。静脈血が心臓向きに流れればいいですが、脳側に逆流するようになると脳で血液がうっ滞してしまい、脳出血や静脈性梗塞、脳の浮腫などが発生します。極めて珍しい病気ですが、当院では知識・経験のある医師が読影するため検出率が高いかもしれません。

 

症例1)88歳女性

  

2週間程度の経過でボケてきて歩行もできなくなった。MRAにて静脈が写っています。治療後と比較してみましょう。

はい。ごちゃごちゃした部分がなくなっています。左の写真では皮膚や硬膜の血管が異常に発達して、静脈洞に盛大に逆流しています。これでは脳にまともに血液が循環しないです。高齢なので迷いましたが、治療しないわけにはいかないだろうと考え血管内治療を行いました。流入動脈を一部塞栓して勢いを落としてから、流出静脈を塞栓して、脳に逆流しないようにしました。

なんだかおどろおどろしい絵です。脳の血管よりも発達した皮膚や硬膜血管と、静脈洞が異常に目だってみえます。動脈に造影剤を注入したばかりですが、すでに静脈に造影剤が流れています。無駄な動静脈のつながり(=瘻)があることを示します。

左の静脈洞を詰めても右があるので問題ありません。脳の血管がよくみえるようになりました。循環がよくなったことを示しています。

治療の甲斐あって、認知機能も戻り、歩行も可能になりました。テント部や前頭蓋底部の硬膜動静脈瘻は目だった症状は呈しませんが、出血しやすいことが知られています。昔は開頭手術が基本でしたが、現代では血管内手術の進歩によりしっかりと治療できるようになってきました。

症例2)60歳代男性

他院で脳梗塞後フォローされていましたが、たまたま当院受診されたところ、MRIにて異常な血管がみつかりました。全くの無症候でしたが、テント部硬膜動静脈瘻でしたので、放置することの危険を理解いただき、塞栓術を行いました。

脳梗塞に気をとられるとうっかり見逃すかもしれません。それくらいの病変です。

点線囲み部に異常があります。

動静脈瘻の直近までカテーテルが入りました。とても細いカテーテルを使っています。

塞栓物質が、病変部に充填されました。これで出血はまずおこらないと考えられます。

最終像です。動静脈瘻が消失しています。

当院では良性腫瘍について手術を行います。悪性が疑わしいものは抗がん剤治療や放射線治療のできる施設へご紹介差し上げております。

症例1)蝶形骨稜髄膜腫

上眼窩裂から眼窩内伸展があります。経時的に増大傾向にありましたので、手術をおすすめしました。この部位はとても難しいですから、3cmを超えるまで待つ必要はない、という判断です。血管内手術による栄養動脈塞栓術を先に行い、時期をあけて開頭術としました。海綿静脈洞壁から固有硬膜をはがし上眼窩裂部の硬膜を除去して頭蓋内腫瘍を全摘しました。骨への浸潤はありますがWHO grade Iでしたので放射線治療は見合わせ、経過観察としました。

術後造影MRIです。

症例2)非機能性下垂体腺腫

視力障害で判明したケースです。視神経を下から圧迫する腫瘍があります。ホルモン検査で非機能性であるとわかりましたので治療としては、無理なく減圧する方針としました。鼻の穴から内視鏡と手術器具を差込み手術します。きれいに全摘できると格好いいですが、合併症のリスクも増えますのでこの辺のバランスが大事です。

術後のMRIです。造影してませんが、腫瘍体積が激減しております。術後、視力障害が自覚的に明らかに改善してお仕事がしやすくなったと喜んでいただけました。

喫煙者、糖尿病患者さんで発生しうる、足の付け根辺りの血管が細くなって詰まってしまう病気です。足が壊死して切り落とさざるをえない、なんてことがありうる病気です。通常は静脈や人工血管を用いたバイパス手術ですが、元の血管を再開通させることができればそれが一番よいはずです。脳の血管を扱うよりはよほど危険が少なく、脳血管内治療の技術を用いて再開通させることができる場合があります。

同じ場所の治療前、治療後です。左総腸骨動脈が完全再開通しています。足が冷たく歩くと痛くなっていた方ですが、足がポカポカして、歩いていても痛くならなくなったと喜ばれました。

脳卒中の予防法

2014年12月Stroke誌(脳卒中領域では世界で最も権威のある雑誌)に掲載されたAHA/ASA(アメリカ心臓病学会、アメリカ脳卒中学会)の脳卒中予防ガイドラインには多岐にわたる項目についての見解が述べられています。データの質と量によってその推奨度が変えられています(Class Iはやると効果が大きくIIbとなると効果が少なくIIIはしないほうがいいかもしれないという程度になります、エビデンスレベルAはデータの質の高いデータが多く、B、Cとなるに従い質のよいデータが少なくなります。注意としては将来有望な治療も広くデータが蓄積されるまではBやCだったりします。)。英文90ページもありますので、まとめ部分を抜き出していきます。

  • 運動:動くことは脳卒中の危険を減らすので動いたほうがよい(Class I、エビデンスレベルB)。健康成人は中等度から高強度の40分以上の有酸素運動を最低でも週に3-4日行うべきである(Class I、エビデンスレベルB)。
  • 高脂血症:ライフスタイルの改善に加えて、高リスク群(2013年の別基準による)ではスタチンを使うべきである(Class I、エビデンスレベルA)。
  • 食事:塩の摂取を減らすことが推奨される(Class I、エビデンスレベルA)。全員6g以下、51歳以上では3。8g以下。DASH食(果物、野菜、低脂肪食品をとり、飽和脂肪酸を減らす)は血圧を下げるのに有効である(Class I、エビデンスレベルA)。野菜や果物をとるとカリウムがとれるので脳梗塞リスクを減らす(Class I、エビデンスレベルB)。地中海型食(魚介類、オリーブオイルの摂取)とナッツをとることは脳卒中リスクを下げる(Class IIb、エビデンスレベルB)
  • 血圧:定期的に血圧を調べ、高血圧症と判明したら生活を改善し、薬物治療をすることが推奨される(Class I、エビデンスレベルA)。前高血圧症(120-139/80-89mmHgの方)の人には、健康に対する意識付けと、生活改善が勧められる(Class I、エビデンスレベルA)。血圧を下げることが最も大事で、薬の種類や方法は問わない(Class I、エビデンスレベルA)。自己血圧測定が血圧コントロールに重要である(Class I、エビデンスレベルA)
  • 肥満:BMI 25以上の方は、体重を減らすと、血圧降下を助け(Class I、エビデンスレベルA)、脳卒中リスクを下げる(Class I、エビデンスレベルA)。
    ※BMIは体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)です。
    例)体重60kg、身長1.6mだと60÷1.6÷1.6=23.4でセーフ。
    体重64kg、身長1.6mだと25になります(アウト)。
  • 喫煙:カウンセリング、ニコチン代替療法、ブプロピオン、バレニクリンによる禁煙が全喫煙者に勧められる(Class I、エビデンスレベルA)。喫煙と脳卒中・くも膜下出血には疫学的因果関係があるので非喫煙者は喫煙しないようにすることが勧められる(Class I、エビデンスレベルB)。地域やより広域での公共の場での禁煙は、脳卒中や心筋梗塞を減らす上で妥当である(Class IIa、エビデンスレベルB)。
  • 片頭痛:まぶしい前兆のある片頭痛をもつ女性は禁煙することが強く推奨される(Class I、エビデンスレベルB)。片頭痛の回数を減らすことは脳梗塞リスクを減らすと考えて妥当である(Class IIb、エビデンスレベルC)。
  • 飲酒:男性2杯以下、妊娠していない女性は1杯以下でアルコールをとってもいいだろう(Class IIb、エビデンスレベルB)。

皆様どうですか?健康は第一の資産ですから、守りぬくことが大事です。病気になったら生活も不便になるかもしれませんし、精神面でも不安をかかえますし、通院などで余計な時間をとられます。ただ座っている仕事は危険です。週3-4回の運動ができない方はかなり多いと思いますが、職場でのエレベーター移動をやめて数階なら階段を使う。ウォーキングを始める、通勤では一駅前で降りて歩く、せめて週2日はなにかするなど少し見直されてもいいでしょうね。

貝原益軒『養生訓』 副院長の座右の書です。
江戸時代に書かれたものですが、健康について核心にせまる内容です。序文「養生の術をまなんで、よくわが身をたもつべし。これ人生第一の大事なり。」この一行だけでもぐさりと突き刺さりますが、細かく各論が書かれています。ご興味があれば是非お読みください。江戸時代の本は結構普通に読めます。不摂生は人の常とはいえ、人は健康を失うまでそのありがたさがわからないものです。知的労働者でも喫煙していたり、肥満があったりすることからもわかるように、IQの高い低いと自分の健康管理ができるかどうかは無関係のようです。幼少期から体を大事にするんだよ、と繰り返し教えることが大切ということも書かれています。

靍見脳神経外科

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